【TFA2024 (TFAコース) 第4講開催報告】
2024年12月8日(日)、アメリカのボストンとオンラインで繋いで開催されたTFA2024 TFAコース 第4講では、上智大学法学部教授で一般社団法人パリテ・アカデミー共同代表の三浦まり先生をお迎えし「女性と政治 ~みんなで地域を元気にしよう~」をテーマに講演いただきました。

三浦先生は、まず日本のジェンダーギャップの現状を紹介し、政治の力がこの遅れを変えるために重要であると強調されました。政治は私たちの生活に密接に関わっており、政治に関わらないと損をすると指摘されました。
日本の女性議員数は増えているものの、依然として少なく、地方には女性議員ゼロの地域もあります。意思決定に多様性が欠ける日本では、女性や若者、地方の声が反映されにくく、マイノリティの声が届かないといった現状があります。

地域社会では女性が既に活躍していますが、意思決定の重要な場には入っていないことが日本の大きな特徴であり、残念な点です。男性中心に物事が決まっている現状では「女性活躍」という言葉だけが先行し、女性たちへの「頑張れ」という圧力ばかりが目立つように感じられます。しかし、女性たちはすでに十分に頑張っています。むしろ、男性たちが様々なことを独り占めしていることが問題であり、男性こそ変わらなければいけないと三浦先生は訴えました。
最近では女性リーダーを増やすことを目指す動きがあるものの、実際にはあまり増えていません。これは女性リーダーを増やすこと自体が目標になっているためであり、その先で私たちがどんな社会を目指したいのか、というビジョンこそ重要です。
男性中心の政治や社会では、女性は対等なメンバーとして認められにくいのが現状です。ケア責任を担う女性は、職務に没頭できないと見なされ、対等な地位を得るのが難しいという構図が根強く存在しています。この構図を変えていくことが、今後の課題となります。
もっと立法府に女性がいれば、女性たちの抱える悩みが伝わり、変革が可能になると三浦先生は語られました。
議員の仕事は「聞くこと」であり、人々の話を聞き、制度に落とし込み、実際に行動して合意に持っていくことが政治家の醍醐味であるいいます。政治とは、「自分の困りごとを社会全体の困りごとに変えて、みんなで解決すること」だと考えられます。この認識が広がれば、より多くの人が政治に関与するきっかけとなるでしょう。
2018年の法施行により、女性リーダー増加への社会の期待が高まり、政党も女性候補を増やす動きが加速していますが、候補者選定の透明性などの課題が残っています。
女性が政治参加を決意する背景には、社会問題への当事者意識や現状への危機感があります。政治を変えるには、仲間と支え合い、共に活動することが重要であると結ばれました。
後半では、受講生が1分間のエレベータースピーチを自分性と行動目標を話しました。
自分はどういう人なのか、徳島県をよくするために自分は何をしたいか、をその理由を盛り込んだ1分間スピーチを披露しました。三浦先生から一人ひとりに対してフィードバックをいただきました。

シャープでありながら、温かみのあるメッセージに、受講生の皆さんもとても励まされたのではないでしょうか。
次回の第5講(DXコースと合同開催)では、バブソン大学の山川恭弘氏をお迎えし、失敗を経験値に変換して行動を起こしていける人材となるためのマインドを学びます。